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2007年02月20日

バルトークの引用

こないだFMで、チョン・ミョンフン指揮東京フィルの演奏でバルトークの「管弦楽のための協奏曲」を放送していた。昔うちの父親が、バルトークがショスタコーヴィチを引用してヒャラヒャラと笑う箇所があるんだ、と力説してて、その時は軽く聞き流してたんだけどちゃんと聞いてなかったもんだから、バルトークの確か管弦楽のための協奏曲だったよなぁ、ショスタコーヴィチの何の曲だったかなぁ、なんて長年謎のままだったんだけど、FMの吉松隆氏の解説でようやく謎が解けた。やっぱり管弦楽のための協奏曲だった、それの第4楽章。引用されている曲はショスタコーヴィチの交響曲第7番、「レニングラード」というタイトルがついてて、シュワルツェネッガーがチチンブイブイとか言っていたアリナミンVドリンクのCMで使われていた箇所だった。

そうやってわかって聞くと、ああなるほどと、かなり面白い。

吉松隆氏によると「当時ラジオで放送されていたショスタコーヴィチの曲を引用して云々」ということだったけど、この曲が作曲された1943年当時は第二次大戦の真っ最中で、ショスタコーヴィチの「レニングラード」はソビエトではナチスに対抗するシンボル的な音楽として初演から大成功で、アメリカでもトスカニーニとストコフスキーとクーセヴィツキーが演奏の権利を争ったりしたそうで。それにしても、バルトークはアメリカに来てろくに仕事がなくて生活も苦しく体調も悪かった、そんな彼を助けるべく破格の値段で作曲を依頼してきたのは「レニングラード」を演奏しようとしたクーセヴィツキーで、なぜその曲でわざわざ「レニングラード」の勇ましい部分を引用して嘲笑する理由があったのだろうか。

この引用した部分は、ソビエト軍隊を表しているというのが一般的だと思っていたんだけど、どうもネットでいろいろ調べてみると、ショスタコーヴィチ自身もレハールの「メリー・ウィドウ」から引用したものらしい。そしてレハールはヒトラーから支持を受けていたそうで。バルトークはそこまで理解して、ナチスを嘲笑する意味で引用していたのだろうか。それとも彼は「国家の奴隷にまでなって作曲するものは馬鹿だ」と言っていたらしいから単にショスタコーヴィチのことが嫌いだったのだろうか。クーセヴィツキーは演奏してどう思ったのだろうか。1つ謎が解けるとまた新たな謎がやって来る。

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2007年02月16日

「のだめ」に思う

僕はマンガというものは「家裁の人」と「マスターキートン」、それに「地球を呑む」くらいしか読まないので、その程度の人がマンガを語るんだということで読んで欲しいんだけど、「のだめカンタービレ」がクラシック音楽人口の増大に貢献したのか、ということですが、僕はまずそういうことはないと思っています。直感的に、マンガ好きの人が「のだめ」を読んで面白いと思ったところで、突然楽器を始めたりクラシックのCDを買ったりコンサートへ行ったりするには、あまりにも敷居が高いのではないだろうかと思う。それに僕の周りでは「のだめ」のことを話題にするのはやっぱりクラシック音楽に何かしら興味があったり最初から関心があったりする人だけで。すなわち「のだめ」でクラシック音楽人口が特に増大することはないと思う。

それでは次に、あまりにもマニアックなクラシック音楽を題材にしたマンガがなぜこうも話題になるのか、ということ。これは僕は最近とても強く思っていることなんだけど、クラシック音楽は特にマニアックなものではなく、日本はクラシック音楽大国で、このようなマンガが流行る土壌がすでにあったんだと思う。東京でのプロのオーケストラの数はロンドンに匹敵するほど、アマチュアでは山手線の駅1つにアマチュアオーケストラが1つあると言われるくらいだし、それぞれの地方にもプロ、アマチュア問わずオーケストラはたくさんある。海外からもさかんに演奏家がやってくるし、クラシック専用のホールが1つの都市にいくつもあったりする。ドラマやCMでもクラシック音楽をアレンジしたもの、またはそのものずばりが頻繁に使われている。

というわけで、もともと日本は世界でも有数のクラシック音楽大国と言って間違いない。だからこそ「のだめ」も流行る。という結論。


...と言いつつ僕の中に釈然としない思いもあって、僕はついこの間まで日本ではクラシック音楽はマイナーなものだと思っていたし、今でも日本に全然根付いていないと思っているし、僕以外の人にどんどんクラシック音楽を聴いたり楽器を始めたりして欲しいと思っている。それでも日本はすでにクラシック音楽大国だと思っている。どちらの考えも絶対に正しいと思っている。自分の中でこの相反した考えを両立させているのもなかなか妙な話だけど、どこかでつながっているような気もしている。とりあえず今のところはそんな感じで。

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2007年02月09日

デプリーストのマーラー5番

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東京都響の常任指揮者を務めるジェイムズ・デプリーストがロンドン交響楽団を振ったマーラーの交響曲第5番。これが実に謙虚な、一歩一歩踏みしめて進むような細部まで丁寧に作り上げた演奏で、こんな素晴らしい演奏が1000円より安い値段で買えてしまうのがNAXOSのすごいところ。今では過去の名盤と呼ばれるものが1000円くらいで買えてしまうけど、過去の名盤に匹敵する演奏を最新録音で作ってしまうのが、1枚1000円の流れを最初に作ったNAXOSの面目躍如といったところですね。

帯には必殺のセールストークが。「あのテレビドラマにもなった、音大生を主人公にした人気コミックに実名で登場するデプリーストによる熱演で」。というわけで、次回は「のだめカンタービレ」がクラシック音楽人口の増大に貢献したのかを考えてみたいと思います。

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2007年02月05日

オーケストラ経営

ワールドビジネスサテライトでオーケストラ経営の話をやってました。オーケストラ経営は補助金頼みでどこも苦しい。神奈川フィルではプログラム冊子のサイズを小さくして輸送費を削減。圧巻は広島交響楽団で、広島カープとコラボレーションしたTシャツや、モーツァルトとカープの応援歌をカップリングしたCDを制作したりと、意表を突いた地域密着ぶりで黒字経営。年間250公演を行なう予定の株式会社楽団の話など、非常に興味深かった。

まぁしかし文化的なことは日本にはなかなか根付かないのかね。いろいろ漠然と思うところはあるけれど、なかなかまとまらない。またいろいろ考えて書いていけたら楽しいだろうなぁとは思うけど。

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2007年02月01日

年金資金の運用

最近よく読む梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーというブログで推薦の、北村慶著「貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント」という本を読んでいるところ。本のタイトルはあまりよくないけれど、非常に有用で面白い、今までにいくつか読んだ投資の本の中でも真っ先に薦めたい本。投資の話から発展してこれからの国のあるべき姿、「負けない社会」にまで言及するくだりは特に引き込まれる。先行き不安な時代を生きる自分たちの指針になってくれる。みなさん是非読んでください。

この本の中で、今の日本の年金資金の運用について書かれた章がある。そういえばと思い出したけれど、ほんの何年か前には株式市場の低迷もあって年金資金の運用も損失を抱え、マスコミに批判されていたけれど、最近はそんな話は全然聞かなくなった。この本によると、2003年3月末での損失が6兆円、それが今では逆に5兆円の利益を生んでいるそうです。たかが2年や3年で11兆円もの利益を上げた理由が、アセットアロケーションを愚直に守る運用。僕の頃には絶対もらえるわけがないと思っていた年金だけど、希望がないわけではないかもとちょっとだけ思い始めた。

それにしてもこの著者も書いているけど、年金が損失を出した時には大きく報道し、うまく運用して利益を出している時にはまったく報道しないマスコミ。「少なからず、国民の年金に対する不安を煽ったマスコミには、その後についても、きちんとフォローする責任があると思われます。..... 法律によって"公共性"が認められ、外国人からの買収にも守られているテレビやその他マスコミの使命だと考えます。」という著者の言葉を肝に銘じてください。

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